複利の力の逸話に関する疑問(ジャックとジルの話)

アメリカのお金に関する逸話の１つに、ジャックとジルの姉弟のお話があります。

ジャックとジルの姉弟が時期をずらして投資をする話で、ジャックは50万円/年を18歳〜25歳までの8年間に、ジルは同じく50万円/年を26歳〜65歳の40年間に投資して65歳時点でどちらの方がお金が増えているか？というお話です。

一見、ジャックの5倍のお金を投資に回しているジルの方がお金が増えているように思えてしまいますが、結論としてはジャックの方がお金が増えており、複利の力(複利にも複利がつき、雪だるま式にお金が増える現象)を学ぶストーリーとなっています。

詳しくはお金の大学の両学長のYouTube動画を見てみてください。

動画の中では利回り10%で計算されています。

www.youtube.com

この話を聞いた時に「スタートが8年しかずれていないのに、本当にジャックが合計額をリードしたまま65歳になるのか？」と疑問に思いました。

なので計算してみました。

計算結果がこちらです。

※見づらくてごめんなさい💦

	年齢	18	19	20	21	22	23	24	25	26	27	28	29	30	31	32	33	34	35	36	37	38	39	40	41	42	43	44	45	46	47	48	49	50	51	52	53	54	55	56	57	58	59	60	61	62	63	64	65
ジャック	投入金額	50	50	50	50	50	50	50	50	50	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0
	増加金額	0	5	11	17	23	31	39	47	57	63	69	76	84	92	101	111	123	135	148	163	179	197	217	239	263	289	318	350	385	423	465	512	563	620	681	750	825	907	998	1,098	1,207	1,328	1,461	1,607	1,768	1,944	2,139	2,353
	合計額	50	55	116	182	255	336	424	522	629	692	761	837	921	1,013	1,114	1,226	1,348	1,483	1,631	1,795	1,974	2,171	2,389	2,627	2,890	3,179	3,497	3,847	4,231	4,655	5,120	5,632	6,195	6,815	7,496	8,246	9,070	9,977	10,975	12,073	13,280	14,608	16,069	17,676	19,443	21,388	23,526	25,879
ジル	投入金額	0	0	0	0	0	0	0	0	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50	50
	増加金額	0	0	0	0	0	0	0	0	0	5	11	17	23	31	39	47	57	68	80	93	107	123	140	159	180	203	228	256	286	320	357	398	442	492	546	605	671	743	822	910	1,006	1,111	1,227	1,355	1,496	1,650	1,820	2,007
	合計額	0	0	0	0	0	0	0	0	50	105	166	232	305	386	474	572	679	797	927	1,069	1,226	1,399	1,589	1,797	2,027	2,280	2,558	2,864	3,200	3,570	3,977	4,425	4,917	5,459	6,055	6,710	7,432	8,225	9,097	10,057	11,113	12,274	13,551	14,956	16,502	18,202	20,072	22,130

65歳時点の金額がジャックが25,879万円、ジルが22,130万円となり、四捨五入すれば合計額が動画の金額と合うので、計算式は間違っていないと思われます。

表だと分かりづらいのでグラフにしました。

確かにジャックはジルをリードしたまま65歳になっています

グラフをよく見ると、２人の資産額の差は開いていっているように見えるので100歳まで延長してみました。

ドン！

やはり、100歳まで延ばしてもジャックはリードしたままでした。

ジャックの資産額は727,263万円、ジルは638,079万円なので、65歳時点では3,749万円だった2人の差は89,184万円まで開いています。

資産額が60～70億になっていますが、非現実低過ぎていまいちイメージが湧かないですね 

というかジルでさえ2,000万円以外は追加投資せず60億までいっているので、複利の力すごすぎですね。

ジャックは100歳時点で727,263万円ですが、65歳時点では25,879万円しか(？)ありませんでした。つまり727,263-25,879万円=701,384万円は65歳以降に増えたことになります。

投資の神様ウォーレン・バフェットの資産の95%以上は60代半ば以降に増えたもの

と言われている通り、複利の力を最も感じるのは人生の終盤のようです。

ここまでは、両学長の動画に合わせ利回り10%の場合の計算でした。

動画内では「SP500の利回りからすると非現実的な利回りでは無い」と紹介していますが、最初から投資対象にSP500選べる人は一握りの人だけでしょうし、SP500にしたって今後も10%近い利回りを出せるとは限りません。

次は利回りを少し厳しめにシュミレーションしてみようと思います。

思い切って利回りを10⇒5%に変えて試算してみました。

なんと38歳時点でジルの資産額>ジャックの資産額となり、65歳時点では倍近い金額になっています。こうなると「入金力が正義」ですね。

ということで、ジャックとジルのお話は高い利回りに頼ったストーリーだったことが分かります。

これでもジャックは元手400万で3,000万円を超えているので悪くは無いんですけどね。

利回りが高いのは理想ですが、利回りを上げる投資をするにはある程度リスクを取る必要も出てきます。日本株では5%を目指そうとするとリスクは大きいですが、全世界や全米株式ではそこまでではありません。

元手が少ない場合はそれらを賢く利用して資産を増やした方がよさそうですね。

こういうシュミレーション・・というか狸の皮算用は好きなので、定期的にやっていきたいと思います。